ティモシー・シャラメの鼻にかかった声が旦那の眠気を誘うようだが、PART2は話の進行が早く、寝る暇はなかったみたい。
特徴あるハンス・ジマーの曲が大音量で流れ、砂に覆われた惑星の迫力ある映像に3時間ずっと手に汗握りっぱなし。
長い原作小説のまだほんの序盤。不穏な感じで終わったPART2はPART1よりもよくできていたと思う。
監督のドゥニ・ヴィルヌーブはメジャーになってからのほうが引かれる作品が少ないが、今回は昔の名作「灼熱の魂」を彷彿させ、かなり力が入っていたように思う。
(ただ、花粉症の最盛期に観たので、砂嵐でこちらの鼻もムズムズしてくる気がした)
どうしても何か食べながら観てしまうが今回はフィッシュアンドポテト。誰かのブログで「日本では天ぷらになっている。英国では素揚げ。」とあったが、確かにこれも天ぷらだ。だけどそれなりにおいしかった。
春にしては荒れ模様の寒い風が吹いたこの日。家に帰ると休日出勤だった息子がちょうど帰ってきたのでいっしょにまたお昼を食べる。デューンを観たよと話すが、「何それ?」という反応。
ああ、デューンは1985年にデビッド・リンチが映画化したが興行的に失敗した有名な作品。原作は1965年に発表され、続編合わせて全5巻からなる大作なのに、「何それ?」とは。
まあ知らない人に語っても仕方ないので、「良かったよ~CGが」と短く説明する。説明しながら「そうか、よかったのはCGなんだな」と逆に納得。
アカデミー視覚効果賞のゴジラの何十倍かのお金がかかっているのだから、良くて当たり前だね。
だけど・・ 映画を観て印象に残るものは何かというと、それは爆破シーンでも砂漠の嵐でも砂虫でもない。それは人が放ったセリフや動きだと思う。
デューンの中で「命がある限り君を愛する」と苦しそうに言ったシャラメの表情とか、そういう、人が放ったセリフや本当に力の入った人間の動作こそが、観客の心を動かすということを、監督とかプロデューサーとかがそばにいたら教えてあげたのに。