今週のお題「卒業したいもの」
ぐずぐず・・これはほんとうに歴史が古く、たぶん物心ついたときから私はぐずぐずしていたと思う。
母親の口癖は「早くしなさい」。
勝ち気で何をするのも早かった母から見ると、いつもぼーっとしている私のことがイライラしたのだろう。
幼少期から60歳を過ぎるまでずっとぐずぐずして生きてきた。その時間の損失たるや凄まじいに違いない。
朝起きるときも「あと5分~」とぐずぐずする。注文したいメニューが決まらない。着ていく服が決まらない。
何をするにもぐずぐずしてきたこの62年。失った時間は帰らないが、そのことを気に病む時間ももったいない気がしてきた。
そもそも、ぼーっとしてトロイ人間が、明日からシャキシャキできるわけがない。そのうえ視力も聴力も思考力も衰えているのに無理だ。
そうかといってぐずぐずすることから卒業したい。どうすればいいか。この4日間ぐらいずっと考えていた。
そうだ、思考を逆転しよう。
そもそも、ぐずぐずすることは悪いことなのか。慎重にゆっくり進むことは逆に長所では無いか。
どうせならちゃんとぐずぐずしてはどうか。あらゆることを確認し、それから進む。間違いや勘違いでよりいっそう遅くなるのを防げるかもしれない。
服は前の日に考えておく。メニューが決められないなら数日前から考えて決めておく。朝はあと5分と言わず、10分後に起きると朝のルーティンを最速で行うことになる。
結論、私はぐずぐずを卒業しない。
明日からもあせらずゆっくり歩いていくことにする。これが私だ。
なんとなく何かを卒業したような気がするから不思議だ。