糖質制限という言葉は健康を意識するしないに関わらず、常識的なワードになってきている。糖質を取りすぎると、肥満や糖尿病を引き起こす。だから糖質は悪者なのである。
しかも糖質は食べるとドーパミンというホルモンの分泌が促され、一時的に元気が出たり快活になるという。つまり、甘いものを食べると幸福な気分になるのだ。それも一時的だから、途切れるとまた食べたくなる。糖質には依存性があるようだ。
そればかりではない。肥満や糖尿病は、動脈硬化に繋がり、脳や心臓の血管病を引き起こすだけでなく、全身の臓器の血管障害の原因となる。糖質はこれほどまでに極悪人なのである。
なのに私たちは、仕事の合間に食べるチョコレートのおいしさを捨てる気にはなれない。ご褒美のスイーツを、無糖の炭酸で補うことはできないのだ。
ただ、人間には理性がある。
糖となるための果実もほとんどが一年に一度しか実らない。のべつ幕なしに実を付けないのだ。だから、人間も考えて食べなくてはいけない。
植物たちが種を残すために1年かけて生み出した実が、動物に幸福感を与えるのも種の保存のためだ。
私たちはありがたく幸福に浸ってもいいが、だけどとめどもなく浸るのではなく、いったんかみしめることにしよう。
そして時にはタンパク質の恩恵も受けよう。アルコールも、ほどほどならいいだろう。幸福感も一時的で我慢して・・
などという、理性ですべてをコントロールできる人ばかりだったら、この世に生活習慣病は無い。
私たちはこうしてふらふらしながら、甘いものを食べて元気になり、健康診断で後悔しつつ、なんとか生きていくのだ。
心が元気になるか、体が元気でいるか、狭間でふらふらしているのである。